費用相場2026.07.13
冬の朝、カーテンを開けると窓ガラスがびっしり曇っていて、サッシの溝に水がたまっている。夜は窓際に座ると冷気が背中に当たる。こういう家では、暖房を強くするより窓を直したほうが早いことが多いです。中でも、今ある窓の内側にもう一枚窓を付ける「内窓(二重窓)」は、比較的低コストで断熱・防音・結露対策ができるので人気があります。外の車の音で眠れないという悩みにも効きます。ただし、内窓なら何でも効くわけではありません。今の窓枠の奥行きと、何を一番に直したいかで答えが変わります。
窓のリフォームには、目的と予算に応じていくつかの方法があります。まず代表的な3つの工法と、それぞれの特徴から。
いちばん軽いのがガラス交換です。今のサッシはそのままに、ガラスだけを複層ガラス(ペアガラス)などへ替えます。手軽な半面、サッシ枠から逃げる熱は止まりません。
次が内窓(二重窓)の設置。今の窓はそのままに、室内側へもう一枚窓を取り付けます。壁を壊さず、断熱にも防音にも効くので、いま最も選ばれている工法です。
いちばん重いのがサッシごとの交換で、既存の枠にかぶせるカバー工法と、壁を一部壊して枠ごと入れ替えるはつり工法があります。断熱性能を根本から上げられますが、費用も工期もそれなりにかかります。
壁を壊さずに1日程度で終わる手軽さが、内窓が選ばれる一番の理由です。

費用は、工法と窓のサイズ、ガラスの種類で変わります。以下は窓1か所あたりの一般的な目安で、製品のグレードや地域で前後します。
| 工法 | 主な内容 | 費用相場の目安(1か所) |
|---|---|---|
| 内窓(二重窓)の設置 | 既存窓の内側に樹脂サッシの窓を増設 | 5万円〜15万円程度 |
| ガラス交換(複層ガラス) | 単板ガラスをペアガラス等に交換 | 3万円〜10万円程度 |
| サッシ交換(カバー工法) | 既存枠の上に新しいサッシをかぶせる | 10万円〜30万円程度 |
| サッシ交換(はつり工法) | 壁を一部壊して枠ごと交換 | 20万円〜50万円程度 |
掃き出し窓(ベランダに出る大きな窓)のように、サイズが大きい窓ほど費用は上がります。家全体の窓をまとめて工事すると数十万円〜100万円以上になることもありますが、複数箇所をまとめると1か所あたりの単価は抑えやすくなります。

内窓が選ばれるのは、工事の軽さのわりに効き目が分かりやすいからです。効果は次の3つ。ただし三つが同じ強さで出るわけではなく、家によって効き方に差があります。
今の窓と内窓の間にできる空気層が、熱の出入りを大きく抑えます。窓は家の中で最も熱が逃げやすい場所で、冬の暖房熱の多くが窓から出ていきます。内窓を付けると冬は暖かく夏は涼しくなり、冷暖房の効率が上がるぶん光熱費も下がります。
窓が二重になることで、外からの騒音の侵入を大きく減らせます。道路や線路沿い、繁華街の近くで効きが分かりやすく、室内から漏れる音も抑えられます。防音を重視するなら、厚みの違う防音ガラスを。
冬の窓の結露は、断熱性の低さが原因です。内窓を付けて室内側の窓の表面が冷えにくくなると、結露は起きにくくなります。結露はカビやダニ、サッシまわりの木部の腐食にもつながるので、放置するほど直す範囲が広がります。内窓を付けたのに結露が消えない、という相談もあります。多くは既存窓の気密が甘く、二枚の窓の間に湿った空気が入り込んでいるケースです。今の窓の建付けとパッキンも一緒に見てもらってください。

断熱を目的にした窓リフォームは省エネにつながるので、国や自治体の補助金制度の対象になりやすい工事です。内窓の設置や高断熱窓への交換は、住宅の省エネ化を支援する国の補助制度で、比較的手厚い補助を受けられる場合があります。
ただし、制度の名称・補助額・対象条件・申請期間は年度で変わり、予算に達すると早く終わることもあります。補助金の対象になる製品や、登録された事業者による施工が条件になる場合もあります。最新の制度内容と、自分の工事が対象になるかどうかは、リフォーム会社や各制度の公式窓口で確認するのが確実です。補助金を使うつもりなら、制度に詳しい業者に早めに相談してください。

順番があります。最初に決めるのは目的です。断熱・防音・結露対策のうち何を一番に置くかで、ガラスも工法も変わります。断熱重視ならLow-E複層ガラス、防音重視なら防音ガラス。ここが決まらないままカタログを開いても選べません。
次に、どの窓から手を付けるか。寝室やリビングなど長く過ごす部屋、不満の大きい窓から優先すると、かけた費用に対する満足度が上がります。全部の窓を一度にやる必要はありません。
見積書で見落とされがちなのが、既存窓枠の奥行き不足を補う「ふかし枠」の行です。内窓には枠の奥行きが要り、足りない家ではふかし枠の追加費用が出ます。この行がない見積書は、現地で奥行きを測っていない可能性があるので聞いてみてください。製品も工事費も会社によって差が出るので、窓の寸法とガラス仕様をそろえたうえで相見積もりを取ります。補助金を使うつもりなら、登録事業者かどうかも最初に確認しておく。
内窓は開閉が一手間増えることや、今の窓枠に十分な奥行きが要ることなど、家によって向き不向きがあります。現地を見てもらったうえで、暮らしに合った提案を受けてください。
乳幼児がいる家では、断熱・防音だけでなく、窓台の高さ、家具との距離、補助錠、開口制限、転落防止手すりも同時に確認してください。具体的な点検の方法は子どもの窓・ベランダ転落防止対策にまとめています。
1か所あたり約5万円〜15万円程度が目安です。窓のサイズやガラスの仕様で変わります。複数箇所をまとめて頼むと、1か所あたりの単価を抑えられることがあります。
断熱・防音の効果を重視するなら、内窓のほうが効きます。今のサッシを活かしたまま空気層をつくれるからです。見た目を変えたくない、開閉の手間を増やしたくない場合はガラス交換が向いています。
窓が二重になるので、開閉と掃除の手間は増えます。よく使う窓は開閉しやすいタイプを選ぶ、あまり開けない窓から先に付ける、といった進め方があります。
内窓の設置は1か所あたり1時間程度で終わることが多く、壁を壊さないので同じ日に複数箇所を施工できます。住みながらの工事がしやすいリフォームです。
断熱性能を高める窓の改修は、国の省エネ関連の補助制度で対象になりやすい工事の一つです。多くの制度で、着工前の申請と登録事業者による施工が条件です。最新の要件は各制度の公式サイトで確認してください。
迷ったら、まず寝室の窓一つに内窓を付けてみてください。効果を体で確かめてから、ほかの部屋に広げる判断ができます。窓・サッシのリフォームには、内窓の設置・ガラス交換・サッシ交換があり、費用は1か所あたり数万円〜数十万円が目安です。内窓(二重窓)は5万円〜15万円程度と比較的手軽で、断熱・防音・結露対策の3つの効果が得られ、省エネ関連の補助金の対象にもなりやすい。効いたかどうかは、次の冬の朝、カーテンを開けたときのガラスを見れば分かります。
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