費用相場2026.07.28
二世帯住宅の相談で印象に残るのは、工事のあとに出てくる不満が「費用」ではなく「音」や「光熱費の分け方」であることです。実家を二世帯にするとき、まず費用の話になるのは当然ですが、完全同居・部分共有・完全分離のどれを選ぶかは、暮らしの摩擦をどこまで減らしたいかの選択でもあります。ここでは、間取りタイプ別の費用と工期、水回りや玄関を増設する費用、確認申請、補助制度、親子の資金分担まで、計画の前に知っておきたい点をまとめました。建て替えとの比較にも触れます。

二世帯化は、今ある部屋を整えて同居する工事から、玄関・キッチン・浴室を世帯ごとに設ける全面改修まで幅があります。まず、間取りタイプ別の総額の目安から。
| 間取りタイプ | 費用の目安 | 工期の目安 | 主な工事 |
|---|---|---|---|
| 完全同居型 | 約300万円〜800万円程度 | 約1〜3カ月 | 内装更新、収納拡張、寝室整備、段差解消 |
| 部分共有型 | 約500万円〜1,500万円程度 | 約1〜3カ月 | LDK・ミニキッチン・洗面・トイレなどの増設 |
| 完全分離型 | 約1,000万円〜2,500万円程度 | 約4〜6カ月 | 玄関・LDK・キッチン・浴室・配管を二世帯分整備 |
| 増築を伴う二世帯化 | 約1,500万円〜3,000万円以上 | 約4〜8カ月 | 床面積の追加、基礎・構造・外装・設備工事 |
金額は一般的な目安です。床面積、築年数、既存の水回りの位置、設備のグレード、耐震・断熱の補強、仮住まいの有無で変わります。既存の住宅を広く直す場合は、フルリフォームの費用と進め方も参考にしてください。

費用だけでタイプを決めると、住み始めてから生活時間、家事、音、来客対応で不満が出やすくなります。今の関係だけでなく、10年後の介護、子どもの成長、片方が空室になった場合まで想像して、共有する範囲を決めてください。
| タイプ | 向いている家族 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 完全同居 | 家事や子育てを協力したい | 工事費と光熱費を抑えやすい | 生活時間と収納ルールの調整が必要 |
| 部分共有 | 交流と独立性を両立したい | 必要な設備だけ分けられる | 何を共有するか事前合意が必要 |
| 完全分離 | 各世帯の生活を優先したい | プライバシーを保ちやすい | 面積と設備費が増えやすい |
上下で分ける場合は、上階のLDKや水回りの音が下階の寝室に伝わらない配置が肝心です。左右で分ける場合は階段を各世帯で使いやすい反面、間口と採光を二分するので窓の計画が要ります。完全分離でも、内側に施錠できる扉で行き来できるようにしておくと、見守りにも将来の使い方にも融通が利きます。
二世帯化で総額を押し上げやすいのは、水回りと玄関の増設です。設備本体だけでなく、給排水管、換気ダクト、ガス・電気の容量、給湯器まで確認します。
| 増設工事 | 費用の目安 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| ミニキッチン | 約30万円〜80万円程度 | 給排水と加熱機器、換気経路 |
| システムキッチン | 約70万円〜200万円程度 | 配管距離、分電盤、レンジフード |
| シャワールーム | 約60万円〜150万円程度 | 床下配管、防水、換気 |
| ユニットバス | 約100万円〜200万円程度 | 設置寸法、基礎、給湯能力 |
| トイレ | 約30万円〜80万円程度 | 排水勾配、換気、手洗い |
| 玄関 | 約50万円〜150万円程度 | 外壁、庇、建具、防火・避難条件 |
| 屋内階段 | 約80万円〜200万円程度 | 床開口、梁、動線、安全性 |
2階に水回りを新設するなら、既存の配管の近くにまとめると費用を抑えやすくなります。給湯器1台で二世帯分をまかなうか、世帯別に設けるかも、同時に使う量と料金の負担を踏まえて決めてください。

間取り図を描く前に、建物の耐震性、傷み、増築できる面積を確認します。古い木造住宅ではとくに、壁を取って広いLDKを作る工事と耐震性能が両立できるかどうか、建築士による検討が欠かせません。
2025年4月以降、木造戸建ての大規模リフォームで建築確認が必要になる範囲が広がっています。工事内容で判断が分かれるので、契約前に建築士と自治体の建築窓口に確認してください。増築の基礎知識は増改築リフォームの費用と注意点でも説明しています。
二世帯住宅に変えるというだけでは、補助金は受けられないのが普通です。ただし、窓・外壁などの断熱改修、高効率給湯器、バリアフリー、耐震改修を組み合わせると、国や自治体の制度の対象になる場合があります。
住宅省エネ2026キャンペーンなどの制度では、対象製品、工事の組み合わせ、住宅の性能、申請する事業者に要件があります。二世帯住宅を1戸として扱うか2戸として扱うかも、住宅の独立性で変わる場合があります。制度は年度・予算・自治体により異なるため、契約・着工前に公式サイト、自治体窓口、登録事業者へ最新情報をご確認ください。
親名義の実家を子世帯が費用負担する場合、負担額や持分によって、贈与、ローン、減税、将来の相続に影響する可能性があります。「誰がいくら払い、誰の持分にするか」を工事契約の前に整理し、必要なら税理士・司法書士・金融機関に相談してください。ここを曖昧にしたまま着工した家ほど、あとで話がこじれます。

| 段階 | 主な内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 1. 家族会議 | 共有範囲、費用分担、生活ルールを整理 | 2週間〜1カ月 |
| 2. 建物調査 | 耐震・劣化・配管・法規・増築可否を確認 | 1〜3週間 |
| 3. 設計・見積もり | 間取り、設備、概算、仮住まいを比較 | 1〜3カ月 |
| 4. 申請・発注 | 建築確認、補助金、設備発注 | 1〜2カ月以上 |
| 5. 工事 | 解体、補強、設備、内装、検査 | 1〜6カ月 |
| 6. 引き渡し | 動作確認、保証書、図面を受領 | 1日 |
全面改修では、住みながらの工事が難しい場合があります。仮住まいの家賃、引っ越し、家具の保管、インターネットの移設も総予算に含めてください。
依頼先は、二世帯住宅の設計・施工実績、耐震診断、確認申請、補助金対応を確認して選びます。見積書は設備の名前だけでなく、解体、補強、配管、電気、仮設、申請、諸経費まで同じ条件で比べてください。比べ方はリフォーム見積もり比較の7つのポイントをご覧ください。
工事範囲が小さい完全同居型は約300万円〜800万円程度、キッチンなどを増設する部分共有型は約500万円〜1,500万円程度、玄関・LDK・水回りを世帯ごとに設ける完全分離型は約1,000万円〜2,500万円程度が一つの目安です。建物の広さ、増築、耐震補強、配管の位置で大きく変わるので、現地調査が必要です。
既存の基礎・柱・屋根を活かせるなら、リフォームのほうが総額を抑えやすい傾向があります。一方、旧耐震基準の住宅や傷みの大きい住宅では、耐震補強と間取り変更を重ねると建て替えとの差が縮まることがあります。耐震診断のあとに、同じ要望で両方の概算を比べてください。
一部の設備を増設するだけなら約2週間〜2カ月、部分共有型は約1〜3カ月、完全分離型や増築を伴う工事は約4〜6カ月程度が目安です。設計、確認申請、設備の納期は別にかかるので、入居したい日の半年前から相談を始めると計画しやすくなります。
二世帯化そのものではなく、窓・外壁などの断熱改修、高効率給湯器、バリアフリー、耐震改修などが、国や自治体の制度の対象になる場合があります。制度によって住戸数の扱いも違います。年度・予算・地域で条件が変わるので、契約・着工前に公式サイトと自治体窓口、登録事業者に確認してください。
工事自体はできますが、所有者と資金の負担者が違うと、贈与と判断される可能性や、ローン・減税の要件に影響する場合があります。工事契約を結ぶ前に、登記の名義と負担割合を整理し、金融機関、税理士、司法書士などに確認してください。
最初にやるのは間取りの相談ではなく、家族会議です。玄関、洗濯、浴室、来客対応をどこまで共有するか、音をどう避けるか、光熱費と工事費を誰がどう負担するかを先に決めておくと、あとの設計がぶれません。費用は完全同居型で約300万円〜800万円程度、部分共有型で約500万円〜1,500万円程度、完全分離型で約1,000万円〜2,500万円程度が一つの目安です。耐震性と法規を確認したうえで、同じ条件の見積もりを比べてください。
リフォームプラザなら、お住まいの地域に対応した優良リフォーム会社への無料一括見積もりが可能です。まずはお気軽にご相談ください。