費用相場2026.07.23
先に結論を言います。バリアフリーリフォームで一番損をするのは、工事を終えてから「介護保険が使えたのに」と気づくケースです。手すり一本のような小さな工事でも、制度を使えるかどうかで自己負担は大きく変わります。しかも申請は着工前でないと通りません。工事別の費用相場から、介護保険の住宅改修費(上限20万円)の対象と申請の順番、自治体の助成、数年先まで見据えた計画の立て方まで、順を追って見ていきます。

バリアフリー工事は「手すり1本」から「浴室まるごと」まで、規模の幅がとても広い分野です。まず代表的な工事の目安を並べます。金額は一般的なレンジなので、正確なところは現地調査と相見積もりで詰めてください。
| 工事内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 手すりの取り付け(1か所) | 約1万円〜5万円程度 |
| 屋内の段差解消(敷居の撤去・すりつけ板など) | 約3万円〜20万円程度 |
| 滑りにくい床材への変更(1室) | 約5万円〜20万円程度 |
| 開き戸から引き戸への扉交換 | 約5万円〜20万円程度 |
| 和式から洋式便器への交換 | 約25万円〜60万円程度 |
| トイレの出入口拡幅・スペース拡張 | 約20万円〜50万円程度 |
| 浴室のバリアフリー化(ユニットバス交換を含む) | 約60万円〜160万円程度 |
| 屋外スロープの新設 | 約10万円〜50万円程度 |
| 階段昇降機の設置(直線階段) | 約50万円〜100万円程度 |
| ホームエレベーターの設置 | 約200万円〜400万円程度 |
金額が動く要因は主に次のとおりです。

要支援・要介護の認定を受けている方が住む家であれば、介護保険の住宅改修費が使えます。支給限度基準額は1人につき20万円で、そこから自己負担割合(所得等に応じて1〜3割)を除いた額が支給されます。20万円の枠は一度に使い切らなくてもよく、何回かに分けて使えます。
裏を返すと、設備のグレードアップだけが目的の交換や、この6種類に当てはまらない工事は支給されません。実務では一つの工事の中に対象と対象外が混ざることがよくあるので、見積書を分けて作ってもらうことが肝心です。
何より大事なのは着工前に申請する(事前申請)ことです。工事が終わってからの申請は、原則として認められません。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 相談 | ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談し、必要な改修を洗い出します |
| 2. 見積もり・図面 | 施工会社に現地を見てもらい、対象工事を区分した見積書と図面を用意します |
| 3. 事前申請 | 住宅改修が必要な理由書、見積書、施工前の写真などを市区町村へ提出します |
| 4. 確認・着工 | 内容の確認を受けてから工事を開始します |
| 5. 完成・支払い | 完成後にいったん費用を支払います(受領委任払いが使える自治体もあります) |
| 6. 支給申請 | 領収書、施工後の写真などを提出し、保険給付分が支給されます |
原則として1人1回の利用ですが、要介護状態区分が3段階以上重くなった場合や転居した場合は、もう一度20万円まで使える扱いがあります。手続きや必要書類は市区町村によって異なるため、必ずお住まいの自治体の介護保険窓口でご確認ください。

介護保険とは別に、自治体が独自の助成制度を持っていることも多いです。介護保険の20万円を超える部分や、対象6種類に入らない工事をカバーできる場合があります。
| 区分 | 概要 |
|---|---|
| 自治体の高齢者向け住宅改修助成 | 介護保険の対象外の工事や、上限を超える部分を助成する制度がある自治体があります。内容・金額・所得要件は自治体ごとに大きく異なります |
| 障害のある方向けの住宅改修給付 | 身体障害者手帳をお持ちの方を対象に、住宅設備改善の給付を行っている自治体があります |
| 税の優遇措置 | 要件を満たすバリアフリー改修について、所得税の控除や固定資産税の減額が用意されている場合があります。適用には申告と証明書類が必要です |
制度は年度や自治体により異なるため、最新情報は市区町村の窓口や各制度の公式サイトで必ずご確認ください。

バリアフリー工事は「今できないこと」を補うだけでなく、数年先の身体の状態まで想定して計画すると、やり直しの費用を防げます。
浴室や脱衣所の寒さ対策は断熱リフォームの費用相場、トイレの改修はトイレ・洗面リフォームの費用相場、浴室はお風呂リフォーム費用相場と工事の流れにそれぞれまとめています。
手すりの取り付けは1か所あたり約1万円〜5万円程度、屋内の段差解消が約3万円〜20万円程度、引き戸への扉交換が約5万円〜20万円程度です。トイレの改修は約20万円〜60万円程度、浴室のバリアフリー化はユニットバス交換を含めて約60万円〜160万円程度が目安です。工事の範囲や下地の状態で変わるので、正確な金額は現地調査で確認してください。
支給限度基準額は1人につき20万円で、そこから自己負担割合(所得等に応じて1〜3割)を除いた額が支給されます。20万円の枠は何回かに分けて使えます。原則として1人1回ですが、要介護状態区分が3段階以上重くなった場合や転居した場合は、もう一度20万円まで使える扱いがあります。詳しくはお住まいの市区町村の介護保険窓口で確認してください。
原則として支給されません。介護保険の住宅改修は着工前の申請(事前申請)が必要で、工事内容の確認を受けてから着工するのが決まりです。ケアマネジャー等が作る「住宅改修が必要な理由書」や見積書、施工前の写真などを添えて申請します。急いでいる場合でも、着工前に必ず市区町村の窓口に相談してください。
建物の所有者(大家や管理会社)の承諾があれば、できる場合があります。介護保険の住宅改修を使うときも、賃貸では所有者の承諾書の提出を求められるのが一般的です。退去時の原状回復をどうするかまで含めて、着工前に書面で取り決めておくと後で揉めません。
床面から750mm〜800mm程度が一般的な目安ですが、使う方の身長や身体の状態で最適な高さは変わります。実際に立って握ってもらい、位置を確かめてから決めるのが確実です。取り付けには壁の下地補強が必要になることも多いので、下地の位置と補強方法を施工会社に確認してください。
まず動くべきは、施工会社ではなくケアマネジャーか市区町村の窓口です。介護保険の住宅改修費(上限20万円)は着工前の申請が絶対条件で、対象は手すり・段差解消・床材変更・扉の取り替え・便器の取り替えとその付帯工事の6種類に限られます。費用の目安は、手すり1か所なら約1万円〜5万円程度、段差解消や扉の交換で約3万円〜20万円程度、トイレや浴室の改修になると約20万円〜160万円程度。自治体独自の助成や税の優遇も確認したうえで、ケアマネジャーと施工会社を交えて、数年先まで使えるプランにしてください。
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