費用相場2026.07.14
衣替えの季節になると、収納の限界が一気に見えてきます。クローゼットに入り切らない服、押入れの奥で行方不明になる季節家電、キッチンの床に積まれたストックの箱。「物が片付かない家をどうにかしたい」と思ったときが、収納リフォームを考えるタイミングです。先に言っておくと、収納は「広く作れば片付く」ものではありません。しまう物を決めてから寸法を決める。この順番を守るだけで、仕上がりの満足度が変わります。

ひとくちに収納リフォームといっても、目的や場所によっていろいろなタイプがあります。代表的な種類と、それぞれの向き不向きを見ておきます。
和室の押入れを、服を掛けられるクローゼットに変える人気のリフォームです。ハンガーパイプや棚を設け、扉を折れ戸や引き戸に変えることで、布団中心の収納から衣類中心の収納に切り替えられます。今ある空間を活かせるので、比較的取り組みやすいのが魅力です。
壁一面を使った収納で、リビングや書斎の本・雑貨・家電をまとめて整理できます。棚の高さを変えられる可動棚にしておくと、しまう物が変わっても対応できます。
キッチンまわりに設ける、食品や日用品のストック収納です。まとめ買いした食材やストック品、調理家電を一か所に集められ、キッチンをすっきり保てます。奥行きと棚の間隔で使い勝手が大きく変わります。
玄関にはシューズクロークやコート掛け、洗面・脱衣まわりにはタオルや洗剤、洗濯用品の収納が要ります。使う場所のすぐ近くに置き場所を作ると、動線がスムーズになります。
メーカーの規格部材を組み合わせるシステム収納は、寸法対応やパーツが豊富で計画しやすく、品質も安定しています。大工や職人が現場で作り込む造作収納は、梁の出っ張りや斜め天井にもぴったり合わせられ、デザインの自由度が高い。そのぶん設計と施工の手間が増え、費用は上がりやすくなります。

収納リフォームの費用は、既製品か造作か、扉や内部パーツの仕様、下地補強や電気工事の有無、仕上げの範囲で大きく変わります。以下は一般的な目安として見てください。
| リフォーム内容 | 費用の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 押入れのクローゼット化 | 5万円〜20万円程度 | 扉の交換・ハンガーパイプ・棚設置など内容で変動 |
| 壁面収納(既製品) | 10万円〜40万円程度 | 幅や高さ、扉の有無で幅がある |
| 造作の壁面収納 | 20万円〜60万円程度 | デザイン・素材・造作範囲で変動 |
| パントリーの新設 | 10万円〜50万円程度 | 棚のみか小部屋型か、電気・換気工事で変わる |
| 玄関シューズクローク | 15万円〜50万円程度 | 広さ・可動棚・扉の仕様で変動 |
| 可動棚の造作 | 3万円〜15万円程度 | 棚の枚数・幅・下地補強で変わる |
金額を動かすのは、まず既製品にするか造作にするかです。造作は自由度が高いぶん設計と施工の手間が乗ります。次に扉。折れ戸、引き戸、開き戸、あるいは扉なしで金額が変わり、扉なしにすると意外と安く済みます。内部のハンガーパイプや引き出し、可動棚の数量もそのまま金額に響きます。
見積書で見落とされがちなのが、下地補強と電気工事です。重い物を載せる棚や壁付けの収納は下地の強度を確保する手間がかかり、コンセントや照明を増やせば電気工事が別に要ります。壁紙や床の張り替えまで一緒にやるなら、その分も加わります。見積もりを比べるときは、この二つが「別途」になっていないかを先に見てください。

収納リフォームで後悔する人の多くは、「容量を増やすこと」を目的にしています。使いやすい収納は、しまう物、使う場所、使う頻度に合わせて設計されたものです。
まず、しまいたい物を書き出して、使う場所の近くに置き場所を計画します。よく使う物は取り出しやすい高さに、季節物や来客用のように頻度の低い物は上や奥に。それだけで日々の出し入れが楽になります。
奥行きが深すぎると奥の物が取り出せず、浅すぎると入り切りません。現場でよくあるのは、押入れの奥行きのまま棚を付けて、手前と奥に物が二列に並び、奥の列が死蔵品になる例です。パントリーなら缶詰やボトルに合わせた浅めの棚、クローゼットなら衣類が掛けられる奥行き。棚と棚の間隔も、収納物の高さに合わせて動かせるようにしておくと無駄が出ません。
扉の開き方は動線に響きます。狭い場所では引き戸が便利なこともあります。掃除機やルーターなどの家電をしまうならコンセントを、食品や布団をしまうなら湿気対策として換気を計画に入れておく。後から足そうとすると壁を開け直すことになるので、最初の打ち合わせで言っておくべき項目です。
コストと施工のしやすさを重視するならシステム収納、空間にぴったり合わせたい、デザインにこだわりたいなら造作収納。箱はシステム収納で作り、見える棚だけ造作にするといった組み合わせもできます。迷ったら、しまう物が今後も変わりそうかどうかで決めてください。変わりそうなら可動式のシステム収納のほうが長持ちします。

収納リフォームは「棚を付けるだけ」と思われがちですが、壁の中を触る工事です。押入れの中仕切りを抜いてクローゼットにする場合、その壁に柱や筋交いが入っていれば、建物を支える部分を取ることになります。耐震に関わる要素を「邪魔だから」で外してはいけません。
壁の中には電気配線や給排水管も通っています。棚受けのビスで配線を打ち抜く事故は、現地調査を省いた現場で起きます。重い物を載せる棚や壁付けの収納は、下地が弱いと物ごと落ちる。下地の位置を探して、なければ補強を入れる。この判断は図面だけではできないので、現地を見ずに金額を出す会社には頼まないほうが無難です。
収納リフォーム単体では対象になりにくいものの、断熱改修やバリアフリー改修と合わせて行う大規模なリフォームでは、国や自治体の補助金・減税制度の対象になる場合があります。
制度の名称・金額・期限・条件は年度で変わり、自治体により内容が異なります。最新の情報は各制度の公式サイトやお住まいの自治体窓口で必ず確認してください。工事前の手続きが必要なケースが多いので、使えそうなら計画の早い段階でリフォーム会社に伝えておくこと。着工後に気づいても間に合いません。
押入れのクローゼット化で約5万円〜20万円程度、既製品の壁面収納で約20万円〜60万円程度、造作の壁面収納で約15万円〜50万円程度が目安です。素材やサイズ、扉の有無で変わります。
コストと納期を重視するなら既製品、寸法や用途にぴったり合わせたいなら造作が向いています。梁や柱で凹凸のある場所は、造作のほうが空間を無駄なく使えます。
奥行きを浅くする、天井まで使って床面積を抑える、扉を引き戸にする、といった工夫で圧迫感は抑えられます。何をどれだけしまうかを先に整理してから、必要な容量を決めるのがポイントです。
用途によりますが、棚だけのウォールタイプなら奥行き30〜45cm程度でも十分に機能します。人が入るウォークインタイプは1畳前後が一つの目安です。使う人の動線に合うかを優先して決めてください。
収納の新設そのものは対象になりにくいものの、バリアフリー改修や省エネ改修と組み合わせる場合に対象になることがあります。制度は自治体で違うので、お住まいの自治体窓口で確認してください。
最初にやるのは、しまいたい物を紙に書き出すことです。それが決まらないと奥行きも棚の間隔も決まりません。収納リフォームは容量を増やす工事ではなく、「何を・どこで・どのくらい使うか」に合わせて奥行き、棚間隔、扉、動線、コンセント、換気まで計画する工事です。費用は押入れのクローゼット化なら5万円〜、パントリーや造作収納なら数十万円規模まで幅があります。しまう物と場所を整理したうえで、システム収納と造作収納のどちらが合うかを考え、壁の中の構造や下地の確認が要る部分は、現地調査をきちんとやってくれる会社に相談してください。
リフォームプラザなら、お住まいの地域に対応した優良リフォーム会社への無料一括見積もりが可能です。まずはお気軽にご相談ください。