費用相場2026.07.31
「春先に家の中で羽アリを見かけた」「和室の床がフカフカする」「前回の防蟻工事から5年以上経っている」——シロアリの被害は床下で静かに進むため、気づいたときにはかなり広がっていることも珍しくありません。この記事では、シロアリ駆除・予防工事の費用相場、バリア工法とベイト工法の違い、見逃したくない被害のサイン、保証の考え方、そして業者選びの注意点までをわかりやすく解説します。
シロアリは木材に含まれるセルロースを餌にする昆虫で、日本の住宅で被害が多いのは主にヤマトシロアリとイエシロアリです。近年は輸入家具などとともに持ち込まれるアメリカカンザイシロアリの被害も報告されています。
厄介なのは、被害が目に見えにくいことです。シロアリは光と乾燥を嫌うため、床下や壁の内部といった暗く湿った場所を好み、木材を表面から食べるのではなく内部を空洞にするように食い進みます。外見はきれいなままなのに、叩くと空洞音がするという状態になるのはこのためです。
放置した場合に懸念されるのは次のような影響です。
特に湿気がこもりやすい床下、水まわりの近く、日当たりの悪い北側などは被害が出やすい場所です。定期的に確認しておきたいところです。

シロアリ工事の費用は、施工する面積と工法によって決まります。多くの業者は「1㎡あたり」または「1坪あたり」の単価で見積もりを出します。以下は一般的な目安であり、実際の金額は建物の構造や被害の程度によって変わります。
| 工事の種類 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 床下点検・調査 | 無料〜約2万円程度 | 無料で実施する業者も多い |
| 予防工事(被害なし・バリア工法) | 1㎡あたり約1,500〜3,000円程度 | 延床30坪程度で約10万〜25万円程度 |
| 駆除工事(被害あり・バリア工法) | 1㎡あたり約2,000〜3,500円程度 | 被害箇所の処理が加わる |
| ベイト工法 | 初期設置費+年間管理費 | 継続的な管理が前提の方式 |
| 木部の補修・交換 | 数万円〜数十万円程度 | 被害の範囲によって大きく変動 |
費用を左右する主な要因は次のとおりです。
なお、被害が土台や柱にまで及んでいる場合は、駆除費用よりも木部の補修費用の方が大きくなることがあります。早期に発見できれば、それだけ総額を抑えられます。

シロアリ工事には大きく分けて2つの方式があります。それぞれ考え方が異なるため、住まいの状況に合わせて選びましょう。
床下の木部と土壌に薬剤を処理し、シロアリが侵入できない「バリア」をつくる方法です。日本で最も一般的に採用されている工法です。
建物のまわりに設置した容器に、シロアリが好む餌と薬剤を仕込み、巣に持ち帰らせて群れごと駆除する方法です。
どちらが優れているというものではなく、被害の有無、床下の構造、ご家族の事情、費用の考え方によって適した方式は変わります。複数の業者に相談し、それぞれの提案を比較して選ぶとよいでしょう。

床下を自分で確認するのは難しいものですが、生活の中で気づけるサインもあります。次のような症状が見られたら、点検を検討しましょう。
シロアリの被害が最も気づかれやすいのが、群飛(ぐんぴ)と呼ばれる羽アリの発生です。ヤマトシロアリは春先の日中、イエシロアリは初夏の夜に飛び立つ傾向があるとされています。
クロアリの羽アリと見分けるポイントは次のとおりです。
| 特徴 | シロアリの羽アリ | クロアリの羽アリ |
|---|---|---|
| 胴体(くびれ) | 寸胴でくびれが目立たない | 腰の部分がはっきりくびれる |
| 触角 | まっすぐで数珠状 | くの字に折れ曲がる |
| 4枚の羽 | ほぼ同じ大きさ | 前の羽が後ろより大きい |
見つけた羽アリは、可能であれば数匹を保管しておくと種類の判別に役立ちます。
また、前回の防蟻工事から5年以上経過している場合は、被害の有無にかかわらず一度点検を受けておくと安心です。
シロアリ工事では、施工後に一定期間の保証が付くのが一般的です。契約前に次の点を確認しておきましょう。
保証内容は会社によって差が大きい部分です。金額だけで比較せず、「保証期間」「補償の範囲」「点検の有無」をセットで比べることをおすすめします。

シロアリ工事は床下という見えない場所での作業になるため、施主が施工内容を確認しづらい分野です。だからこそ、業者選びは慎重に行いましょう。
特に、点検を口実に訪問してきた業者から、その場で高額な契約を勧められるケースには注意しましょう。訪問販売による契約には、一定の条件のもとでクーリング・オフ制度が適用される場合があります。判断に迷ったときは、契約を急がず、消費者ホットライン(188)やお住まいの自治体の消費生活センターに相談してください。
バリア工法の予防工事で1㎡あたり約1,500円〜3,000円程度、延床30坪程度の住宅で約10万〜25万円程度が目安です。被害がある場合の駆除工事や、木部の補修が加わると費用は上がります。
春先や初夏に羽アリを見かける、基礎に土でできた蟻道がある、床がフカフカする、柱を叩くと空洞音がする、といった症状です。前回の防蟻工事から5年以上経っている場合も点検をおすすめします。
即効性と費用のわかりやすさならバリア工法、薬剤散布を避けたい場合や巣ごとの駆除を狙うならベイト工法が向いています。床下の構造やご家族の事情によって適した方式は変わります。
バリア工法では薬剤の効果を踏まえ、5年間を保証期間とする例が一般的です。ただし再施工までなのか木部の補修費用も含むのかは業者によって異なるため、書面で範囲を確認しましょう。
点検口が無い、床下の高さが足りないといった場合は、点検口を新設する工事が必要になることがあります。現地調査の際に施工可能な範囲と追加費用を確認しておきましょう。
シロアリ被害は、床下や壁の内部で静かに進むため、早期発見と定期的な予防が何よりも重要です。予防工事の費用は延床30坪程度の住宅で約10万〜25万円程度が一つの目安ですが、被害が広がってから木部の補修まで必要になると、費用は大きく膨らみます。羽アリや蟻道、床のきしみといったサインに気づいたら、まずは床下点検を受けましょう。工法や保証の内容は会社によって異なるため、複数社の提案を比較して、納得できる内容で契約することが大切です。
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