費用相場2026.07.18
春先の昼間、窓の桟に透明な羽が何枚も落ちていた。和室の畳を踏むと、なんとなく沈む気がする。前の防蟻工事からもう5年以上経っている。こうした小さな違和感が重なったら、床下で何かが進んでいる可能性があります。シロアリの被害は暗い床下で静かに広がるので、気づいたときにはかなり進んでいることも珍しくありません。駆除・予防工事の費用相場、バリア工法とベイト工法の違い、見逃したくない被害のサイン、保証の考え方、業者選びの注意点。床下を確かめる順番でまとめました。
シロアリは木材に含まれるセルロースを餌にする昆虫で、日本の住宅で被害が多いのは主にヤマトシロアリとイエシロアリです。近年は、輸入家具などと一緒に持ち込まれるアメリカカンザイシロアリの被害も報告されています。
厄介なのは、被害が目に見えないことです。シロアリは光と乾燥を嫌うので、床下や壁の内部といった暗く湿った場所を好み、木材を表面から食べるのではなく内部を空洞にするように食い進みます。外見はきれいなままなのに叩くと空洞音がする、という状態になるのはこのためです。
放置した場合に心配されるのは、次のような影響です。
湿気がこもりやすい床下、水まわりの近く、日当たりの悪い北側は、とくに被害が出やすい場所です。定期的に見ておきたいところです。

シロアリ工事の費用は、施工する面積と工法で決まります。多くの業者は「1㎡あたり」か「1坪あたり」の単価で見積もりを出します。以下は一般的な目安で、実際の金額は建物の構造や被害の程度で変わります。
| 工事の種類 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 床下点検・調査 | 無料〜約2万円程度 | 無料で実施する業者も多い |
| 予防工事(被害なし・バリア工法) | 1㎡あたり約1,500〜3,000円程度 | 延床30坪程度で約10万〜25万円程度 |
| 駆除工事(被害あり・バリア工法) | 1㎡あたり約2,000〜3,500円程度 | 被害箇所の処理が加わる |
| ベイト工法 | 初期設置費+年間管理費 | 継続的な管理が前提の方式 |
| 木部の補修・交換 | 数万円〜数十万円程度 | 被害の範囲によって大きく変動 |
費用を左右する主な要因は次のとおりです。
被害が土台や柱にまで及んでいると、駆除費用より木部の補修費用の方が大きくなることがあります。早く見つけるほど、総額は抑えられます。

シロアリ工事には大きく2つの方式があります。考え方が違うので、住まいの状況に合わせて選びます。
床下の木部と土壌に薬剤を処理して、シロアリが入れない「バリア」をつくる方法です。日本で最も一般的に使われている工法です。
建物のまわりに置いた容器に、シロアリが好む餌と薬剤を仕込み、巣に持ち帰らせて群れごと駆除する方法です。
どちらが優れているという話ではなく、被害の有無、床下の構造、ご家族の事情、費用の考え方によって適した方式は変わります。複数の業者に相談して、それぞれの提案を比べて選んでください。

床下を自分で見るのは難しいものですが、生活の中で気づけるサインもあります。次の症状があれば、点検を考えてください。
シロアリの被害で最も気づかれやすいのが、群飛(ぐんぴ)と呼ばれる羽アリの発生です。ヤマトシロアリは春先の日中、イエシロアリは初夏の夜に飛び立つ傾向があるとされています。
クロアリの羽アリとの見分け方は次のとおりです。
| 特徴 | シロアリの羽アリ | クロアリの羽アリ |
|---|---|---|
| 胴体(くびれ) | 寸胴でくびれが目立たない | 腰の部分がはっきりくびれる |
| 触角 | まっすぐで数珠状 | くの字に折れ曲がる |
| 4枚の羽 | ほぼ同じ大きさ | 前の羽が後ろより大きい |
見つけた羽アリは、できれば数匹を保管しておくと種類の判別に役立ちます。
前回の防蟻工事から5年以上経っているなら、被害の有無にかかわらず一度点検を受けておくと安心です。
シロアリ工事では、施工後に一定期間の保証が付くのが一般的です。契約前に次の点を確かめてください。
保証の中身は、会社によって差が大きいところです。金額だけで比べず、「保証期間」「補償の範囲」「点検の有無」をセットで比べることをおすすめします。

シロアリ工事は床下という見えない場所での作業なので、施主が施工内容を確かめにくい分野です。だからこそ業者選びは慎重に。
とくに、点検を口実に訪ねてきた業者から、その場で高額な契約を勧められるケースには気をつけてください。訪問販売による契約には、一定の条件のもとでクーリング・オフ制度が使える場合があります。迷ったら契約を急がず、消費者ホットライン(188)かお住まいの自治体の消費生活センターに相談を。
バリア工法の予防工事で1㎡あたり約1,500円〜3,000円程度、延床30坪程度の住宅で約10万〜25万円程度が目安です。被害がある場合の駆除工事や、木部の補修が加わると費用は上がります。
春先や初夏に羽アリを見かける、基礎に土でできた蟻道がある、床がフカフカする、柱を叩くと空洞音がする、といった症状です。前回の防蟻工事から5年以上経っている場合も点検をおすすめします。
即効性と費用の分かりやすさならバリア工法、薬剤の散布を避けたい場合や巣ごとの駆除を狙うならベイト工法が向いています。床下の構造やご家族の事情で、適した方式は変わります。
バリア工法では薬剤の効果を踏まえて、5年間を保証期間とする例が一般的です。ただし再施工までなのか木部の補修費用も含むのかは業者によって違うので、書面で範囲を確認しておいてください。
点検口がない、床下の高さが足りない、という場合は、点検口を新設する工事が要ることがあります。現地調査のときに、施工できる範囲と追加費用を確認しておいてください。
羽アリを見た、床が沈む。そう感じたら、まずやることは床下点検の依頼です。早く見つけるほど総額は小さくて済みます。予防工事の費用は延床30坪程度の住宅で約10万〜25万円程度が一つの目安ですが、被害が広がって木部の補修まで要るようになると、費用は大きく膨らみます。工法も保証の中身も会社によって違うので、複数社の提案を比べて、納得できる内容で契約してください。
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