費用相場2026.06.28
店舗改装は、オープン日から逆算して考える工事です。営業を止めている間は売上が立たないので、住宅のリフォームより時間の価値がずっと重い。費用の見当がつかない、何から始めればいいのか分からない、という段階で止まっている時間そのものがコストになります。しかも業種や規模で費用は大きく変わります。だからこの記事は、費用の目安と同じくらい「いつ何を決めるか」に紙幅を割いています。読み終わったら、オープンしたい日をカレンダーに書き込んでください。

店舗改装の費用は、業種と工事の範囲で大きく違います。一般には「坪単価」で語られることが多く、内装のグレードや設備の中身で幅が出ます。まず業種ごとのおおよその坪単価から。
| 業種 | 坪単価の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 物販店・小売店 | 15万円〜40万円程度 | 陳列棚やレジ周りが中心で比較的シンプル |
| 美容室・サロン | 25万円〜50万円程度 | 給排水設備やシャンプー台の設置が必要 |
| カフェ・軽飲食 | 30万円〜60万円程度 | 厨房設備や換気ダクトの工事が発生 |
| 飲食店(本格厨房) | 40万円〜80万円程度 | 厨房・給排水・ガス・換気など設備工事が大規模 |
| クリニック・整体院 | 30万円〜60万円程度 | 個室や待合スペース、衛生面への配慮が必要 |
これらは一般的な目安です。同じ業種でも、既存の設備を活かせるか、間仕切りをどこまで変えるか、内装のデザイン性をどこまで求めるかで費用は上下します。
坪単価に店舗の広さを掛けると、おおよその総額が見えてきます。カフェを想定した場合の総額のイメージは次のとおりです。
| 店舗の広さ | 費用総額の目安(カフェの場合) |
|---|---|
| 10坪(約33㎡) | 300万円〜600万円程度 |
| 20坪(約66㎡) | 600万円〜1,200万円程度 |
| 30坪(約99㎡) | 900万円〜1,800万円程度 |
前の店舗の設備が残っている「居抜き物件」を改装する場合は、スケルトン(内装がない状態)から作るより費用を大きく抑えられることがあります。

同じ広さでも費用に差が出るのは、いくつかの要因が絡んでいるからです。見積もりを比べる前に、どこにお金がかかるのかを知っておくと、安い理由と高い理由が読めるようになります。
居抜き物件は、前のテナントの内装や設備が残っている状態です。厨房やエアコンを流用できれば設備工事費を大きく削れます。ただし「残っている」と「使える」は別物で、契約してから厨房機器が故障していた、ダクトが今の基準に合わなかったと分かり、結局入れ替える例は珍しくありません。流用するつもりの設備は、契約前に施工会社と一緒に動作を確かめてください。
スケルトン物件はコンクリートの躯体だけの状態です。自由に設計できる反面、電気・給排水・空調をゼロから整えるので費用は高くなります。
飲食店ではとくに、厨房設備・給排水・ガス・換気ダクトといった設備工事が費用の大きな割合を占めます。グリストラップ(排水の油分を分離する装置)の設置や、ダクトの延長が要る場合はさらに上乗せになります。
床材・壁材・照明・造作家具のグレードでも費用は動きます。天然木や特注家具を多用すればコストは上がり、既製品やシンプルな仕上げを選べば抑えられます。

店舗改装は、住宅のリフォーム以上に段取りが物を言います。営業を止める期間を最小限にするためにも、全体の流れを先に把握してください。
| 工事規模 | 工事期間の目安 |
|---|---|
| 小規模(部分改装・居抜き) | 1週間〜3週間程度 |
| 中規模(内装全面) | 1か月〜1.5か月程度 |
| 大規模(スケルトンから) | 2か月〜3か月程度 |
相談から着工までの準備期間を含めると、実際にはもっと時間がかかります。現場で困るのは、オープン日を施工会社に最初に伝えていなかった案件です。逆算の起点がないまま設計が進み、最後の内装だけ突貫になる。オープンしたい日は、最初の打ち合わせで口に出してください。

効き目が大きい順に言うと、まず居抜き物件の活用です。既存設備を流用できれば設備工事費を大きく削れます。次に、お金をかける場所の順位付け。お客様の目に触れる客席やファサードにはこだわり、バックヤードや倉庫はシンプルに。全部を良くしようとすると、坪単価の上限側に張り付きます。
見積もりは同じ工事内容で2〜3社に頼んでください。会社によって金額も提案も違い、並べて初めて適正価格が見えます。特注の造作家具や什器は既製品やユニット設備に置き換えると、コストと工期の両方が縮みます。バリアフリー化や省エネ設備の導入で自治体の補助制度を使える場合もあるので、該当しそうなら次の節を読んでから相談してください。
店舗改装では、条件次第で国や自治体の補助金・助成金を使える場合があります。小規模事業者を対象にした販路開拓や設備投資への支援、省エネ改修やバリアフリー化への補助などが例です。
ただし、補助金の名称・金額・募集期間・対象要件は年度や地域で大きく違い、募集期間が短いことも多いです。最新の情報は各自治体の窓口や商工会議所などで必ずご確認ください。申請は工事前に行う制度がほとんどで、着工後に気づいても間に合いません。使うつもりなら、最初の相談で施工会社に言っておくこと。
一番痛いのは、営業許可や法令の確認漏れです。飲食店なら保健所の許可基準、内装によっては防火・消防の基準があり、設計が終わってから「シンクの数が足りない」「厨房の区画が基準に合わない」と分かると、やり直しの費用と日数がそのまま乗ります。設計の段階で基準を知っている会社かどうかを見てください。
賃貸物件なら、退去時にどこまで元に戻す義務があるかを契約書で把握しておくこと。スケルトン戻しの費用は、開業時の見積書には出てきません。店舗の施工は住宅とは勘所が違うので、同じ業種の施工実績がある会社を選ぶ。そして見積書で抜けやすいのが、看板・サイン、什器の搬入設置、保健所や消防の申請費用です。この三つが「別途」になっていないか、契約前に見ておいてください。
1坪あたりの目安として、物販店・小売店で約15万円〜40万円程度、美容室・サロンで約30万円〜60万円程度、カフェ・軽飲食で約40万円〜80万円程度です。業種によって必要な設備が違うので差が出ます。
一般には居抜きのほうが初期費用を抑えられます。ただし前のテナントの設備が使えるかどうかで結果は変わります。古くなった設備を結局すべて入れ替えることになるケースもあるので、契約前に設備の状態を見ておいてください。
規模と業種によりますが、内装中心の改装で2週間〜1か月程度、厨房や給排水を含む本格的な工事では1〜2か月程度が目安です。営業を止める期間は売上に直結するので、工程表で確認してください。
厨房設備、換気ダクト、給排水、グリストラップなどの工事が要ります。保健所の営業許可基準も満たす必要があるので、設計の段階から基準を理解している会社に頼んでください。
小規模事業者や中小企業向けの支援制度で、店舗改装が対象になる場合があります。多くは事業計画の提出と事前申請が必要です。公募期間が短いので、早めに情報を確認してください。
まず、オープンしたい日を決めてください。そこから逆算すると、相談を始めるべき時期が見えてきます。費用は業種・広さ・物件の状態・設備の規模で大きく変わり、物販店なら坪15万円〜、本格的な飲食店なら坪40万円〜が一つの目安ですが、居抜きの活用、優先順位の整理、相見積もりで十分にコントロールできます。流れを知り、補助金の可能性も含めて早く動き出す。止まっている時間そのものが一番高い費用です。
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