工事準備2026.08.19
マンションの室内は自分の所有でも、すべてを自由にリフォームできるわけではありません。共用部分やほかの住戸へ影響するおそれがある工事は、着工前に管理組合へ申請し、承認を受ける必要があります。この記事では「何を確認し、どの書類を、どの順番で提出するか」を、国土交通省のマンション標準管理規約を基に整理します。実際の手続きはマンションごとの管理規約が優先されるため、計画初期に管理会社へ確認してください。
国土交通省のマンション標準管理規約(単棟型)第17条では、専有部分の修繕や模様替えでも、共用部分またはほかの専有部分へ影響を与えるおそれがある場合は、あらかじめ理事長へ申請し、承認を受けるモデルが示されています。承認の対象にならない工事でも、業者の立入り、資材搬入、騒音、振動、臭気などを管理組合が把握する必要がある場合は事前届出の対象です。
標準管理規約は各マンションが規約を作成・改正する際のひな型です。実際の申請対象、提出期限、床材の基準、作業時間は建物ごとに異なります。「標準では可能だから工事できる」と決めず、所有する住戸の管理規約と承認結果を基準にしてください。

見積もりを依頼する前に、管理会社または管理員へ次の資料を確認します。工事申請書の様式もこの段階で入手し、施工会社へ共有すると、規約に合わないプランや製品選定を減らせます。
| 資料 | 主な確認事項 | 計画への影響 |
|---|---|---|
| 管理規約 | 専有・共用の範囲、申請と承認 | 変更できる場所を判断 |
| 使用細則 | 共用部の利用、搬入、生活ルール | 養生や搬入方法を決定 |
| 工事細則 | 床材、工事時間、提出物、告知 | 仕様と工程を決定 |
| 申請書式 | 申請者、添付書類、提出先 | 役割と期限を決定 |
標準管理規約では、天井・床・壁のうち躯体を除く部分を専有部分とし、窓枠・窓ガラスは専有部分に含めないモデルが示されています。玄関扉も錠と内部塗装部分以外は共用部分とする整理です。バルコニーのように日常はその住戸だけが使っていても、区分上は共用部分である「専用使用部分」もあります。
| 区分 | 一般的な例 | 進め方 |
|---|---|---|
| 専有部分 | 内装仕上げ、住宅設備、住戸内配線 | 規約の範囲で申請・届出 |
| 共用部分 | 躯体、共用配管、外壁、共用廊下 | 個人で変更せず管理組合へ確認 |
| 専用使用部分 | バルコニー、窓、玄関扉の外側 | 使用権と工事可否を分けて確認 |
建物によって区分は異なります。特にコンクリートへの穴あけ、窓・玄関扉、共用立て管、水回り移動は、現地調査と規約確認を終える前に確定しないことが重要です。マンション全体の費用・工事条件はマンションリフォームの費用相場と注意点も参考にしてください。
標準管理規約第17条では、申請書に設計図、仕様書、工程表を添付するモデルが示されています。実際には施工会社の連絡先、共用部養生計画、製品資料などを求めるマンションもあります。必要書類は次の表をたたき台に、指定様式と照合してください。
| 提出物 | 記載する内容 | 作成担当 |
|---|---|---|
| 工事申請書 | 住戸、期間、工事概要、申請者 | 所有者が確認・提出 |
| 設計図 | 工事前後の間取り、設備・配管位置 | 設計・施工会社 |
| 仕様書 | 床・壁・設備・工法・製品 | 設計・施工会社 |
| 工程表 | 工種別の日程、騒音作業、搬入 | 施工会社 |
| 床材資料 | 遮音性能、下地を含む施工方法 | 施工会社・メーカー |
| 養生計画 | 廊下、エレベーター、搬入経路 | 施工会社 |
| 業者情報 | 責任者、緊急連絡先、保険 | 施工会社 |
書類名や担当は一例です。工事内容の変更後に古い図面のまま提出すると、承認範囲と実際の施工がずれます。最終見積もり、図面、仕様書、工程表の工事範囲が一致しているかを、提出前に確認します。

申請期間はマンションごとに異なります。理事会の承認が必要な場合は開催日程も影響します。設備の納期だけで工期を決めず、「申請書を出せる日」「承認が得られる見込み」「近隣案内に必要な期間」を工程へ組み込んでください。

| 確認項目 | 見られる内容 | 資料の例 |
|---|---|---|
| 床の遮音 | 床材性能、下地、施工範囲 | 製品資料、床断面図 |
| 水回り移動 | 排水勾配、共用管接続、防水 | 設備・配管図 |
| 躯体への施工 | 穴あけ、アンカー、壁撤去の有無 | 施工図、工法説明 |
| 工事時間 | 曜日、作業時間、騒音工程 | 工程表 |
| 搬入・養生 | 経路、エレベーター、資材置場 | 養生・搬入計画 |
| 近隣対応 | 案内範囲、掲示、緊急連絡先 | 案内文、連絡体制 |
同じフローリング製品でも、直張り、二重床、既存床への重ね張りでは床構成が違います。製品名だけでなく、下地から仕上げまでを示すことが重要です。給排水管の更新や移動を含む場合は、給排水管リフォームの工法と注意点も確認してください。
差し戻しを避けるには、申請の経験だけでなく、そのマンションの規約を読んで図面へ反映できる施工会社を選びます。申請対応の範囲、追加資料の作成費、変更時の再申請対応を見積もり段階で確認してください。

工事前の要望・図面・仕様の整理はリフォーム打ち合わせのチェックリスト、工事後の確認は完成検査と引き渡し前の確認事項もご活用ください。
承認が不要でも、施工会社の立入り、資材搬入、臭気などを管理組合が事前に把握するため、届出が必要な場合があります。工事の大小だけで判断せず、実際の管理規約・使用細則・工事細則を確認してください。
施工会社が図面・仕様書・工程表などを作成し、提出を支援する例は多くあります。ただし申請者は区分所有者と定められていることもあります。誰が作成・提出・差し戻し対応を行うかを見積もり前に確認しましょう。
承認前に変更できない設備や床材を発注すると、規約に合わなかった場合に再選定やキャンセルが必要になります。契約条件と発注時期を施工会社と整理し、少なくとも着工は承認後にしてください。
管理規約や工事細則で遮音性能、床材の種類、施工方法が指定されている場合があります。製品のカタログ値だけではなく、下地を含む床構成を図面・仕様書で示し、管理会社へ確認します。
国土交通省のマンション標準管理規約では、窓枠・窓ガラスは専有部分に含めず、玄関扉も錠と内部塗装部分以外を共用部分とするモデルが示されています。実際の規約と管理組合の計画を確認し、個人で判断して交換しないでください。
審査方法や理事会の開催頻度、工事内容で異なります。固定の日数はありません。着工希望日から逆算し、必要書類、締切、理事会承認の要否、差し戻し時の再提出方法を管理会社へ早めに確認してください。
マンションリフォームでは、プランを固める前に管理規約・使用細則・工事細則を確認し、専有部分と共用部分を分けることが出発点です。標準管理規約では、共用部分やほかの住戸へ影響するおそれがある工事について、設計図・仕様書・工程表を添えた事前申請と承認が示されています。承認対象外でも届出が必要な工事があるため、管理会社への事前相談から始めてください。
リフォームプラザでは、マンションの管理規約や工事申請に対応できる地域の施工会社を比較できます。申請書類の作成範囲も含めて、計画初期からご相談ください。