ブロック塀・地震対策2026.09.04
「実家の古いブロック塀は、ひび割れが少なければそのままで大丈夫ですか」。外構の相談で判断が難しいのは、見た目が整っていても、鉄筋や基礎までは見えないことです。高さ・厚さ・控え壁・基礎・劣化を道路側から確認し、一つでも合わない、または分からない項目があれば専門家へつなぐ。自宅の敷地内だけで完結せず、通行人と避難路にも関わる設備だからこそ、この順番を崩せません。
点検は、塀を揺らしたり地面を掘ったりする作業ではありません。道路から全体を眺め、傾き、欠け、ひび割れ、目地の抜け、白い析出物、赤さび、雨水が集まる箇所を写真に残します。塀の上にプランターや重い物があれば、近づいて動かさず、その位置も専門家へ伝えます。
すでに大きく傾いている、触らなくてもぐらつきが分かる、ブロックが外れかけている場合は、その場で詳しく調べようとせず人を近づけないことが先です。道路へ倒れる恐れがあれば、所有者だけで判断せず自治体の建築相談窓口や専門家へ連絡します。通学路や避難路に面する塀は優先度を上げます。
| 見え方 | その場で行うこと | 次の連絡先 |
|---|---|---|
| 傾き・大きな亀裂・外れ | 近づかず、周囲を通らない | 自治体窓口、建築士、施工会社 |
| 小さなひび・白華・さび跡 | 位置と全景を撮影する | 外構工事に詳しい専門家 |
| 異常なし・構造不明 | 図面と施工時期を探す | 建築士、施工記録のある会社 |

国土交通省の「今すぐブロック塀等の点検を!」は、補強コンクリートブロック造の塀について、所有者が外観から確認できる項目と、専門家へ依頼する項目を分けています。下表は一般的なブロック塀を外から見るための基準です。
| 点検項目 | 外観で見る基準 | 見方 |
|---|---|---|
| 高さ | 地面から2.2m以下 | 高低差があれば低い側から上端まで測る |
| 厚さ | 15cm以上。高さ2m以下なら10cm以上 | 塀の端部や門まわりで厚みを見る |
| 控え壁 | 高さ1.2m超では3.4m以下ごと。突出は塀の高さの1/5以上 | 塀に直角に突出する壁の有無を見る |
| 基礎 | コンクリート基礎がある | 地際の連続した基礎を外観で見る |
| 劣化 | 傾き・ひび割れ・ぐらつきがない | 道路側と敷地側を端から端まで見る |
| 鉄筋 | 塀内に適切に配置されている | 外観では断定せず専門家へ依頼する |
ブロックの段数だけを数えると、敷地側からは低く見える塀を見落とします。道路と敷地に高低差があるなら、まず低い側の地面から上端までを見る。ここは現地写真を撮る位置でも差が出るところです。
数値は建築基準法施行令第62条の8に基づく点検の基準で、構造計算によって安全を確かめた塀には例外があります。石・れんがなどの組積造は高さや控え壁の基準が異なります。見た目だけで材料を決めつけず、国土交通省資料の該当欄を使います。

ひび割れから雨水が入り、内部の鉄筋がさびると、ブロックと鉄筋が一体で抵抗する働きが損なわれます。一般社団法人全国建築コンクリートブロック工業会の「あぶないブロック塀とは―チェックポイント」は、傾き・ぐらつき、ひび割れ、高すぎる塀、控え壁の不足、透かしブロック、経年劣化、石垣上の塀、土留め兼用などを危険の手掛かりに挙げています。
見つけた傷をセメントで埋めれば安全になるとは限りません。表面のひびを隠しても、さびた鉄筋や不足した基礎は直らないためです。補修材を塗る前の写真を残し、原因と構造を先に調べます。

外から見える控え壁があっても、基礎と一体になっているか、内部の鉄筋へ適切につながっているかまでは分かりません。施行令は、壁内の径9mm以上の鉄筋を縦横80cm以下の間隔で配置することなどを定めています。高さ1.2mを超える塀では、基礎の丈35cm以上、根入れ30cm以上も基準です。
この確認のために所有者がブロックを壊したり、基礎の周囲を無理に掘ったりする必要はありません。建築士や経験のある施工会社へ、鉄筋探査、図面照合、必要に応じた部分確認を依頼します。塀の長さ、地盤の高低差、基礎、門柱、控え壁、土留めの役割まで一続きで診てもらうのが要点です。
迷ったら、「ひびの補修はいくらか」ではなく「この塀を安全と判断できる根拠は何か」と聞いてください。調査方法と判断理由が示されれば、補強で残すのか撤去するのかを比較できます。

改修方法は、表面補修、構造補強、部分撤去、全撤去と作り替えに分かれます。工業会の「改修・補強」は、高さや控え壁を改善する例を示す一方、これらを一時的な方策と位置づけています。基礎がない、または根入れが少なすぎる場合は作り直す考え方です。
| 方法 | 向く状態 | 事前に確かめること |
|---|---|---|
| 表面補修 | 構造安全を確認でき、仕上げだけが傷んだ塀 | ひびの原因、鉄筋さび、再発防止 |
| 構造補強 | 専門診断で補強設計が成立する塀 | 基礎、鉄筋、控え壁との一体性 |
| 高さを下げる | 上部撤去を含む安全な設計が可能な塀 | 残す部分の健全性と端部処理 |
| 撤去・新設 | 基礎・鉄筋・劣化に問題がある塀 | 境界、道路、基礎、排水、門扉 |
軽いフェンスへ替える場合も、低いブロックを残せば無条件に安全になるわけではありません。残す基礎とブロックの状態、フェンス柱の固定方法、風圧、総高さを製品条件と一緒に確認します。目隠し率と耐風圧の考え方は目隠しフェンスの高さ・素材・基礎も参考になります。
塀の工事は、本体だけを見て発注すると止まりやすい工事です。境界線上にあるのか自分の敷地内なのか、道路後退が必要な位置ではないか、塀が土を受けていないかを先に確認します。古い塀では、門柱や土間、側溝、給排水管と基礎が近接していることもあります。
見積書で意外と抜けやすいのは、撤去後の地面と境界の処理です。「塀撤去一式」だけでは、基礎、残土、門柱、舗装、側溝の補修が含まれるか読めません。数量と残す範囲を図にしてもらうと比較ができます。着工前の周知はリフォーム工事の近隣挨拶、完了時の確認は完成検査チェックリストにまとめています。
自治体によっては、道路沿いの危険なブロック塀等の撤去と、撤去に伴う軽量フェンス・生け垣の新設を支援しています。地域ごとに対象道路、高さ、危険判定、施工会社、申請時期が違うため、契約より先に自治体窓口を確認します。
横浜市の「ブロック塀等改善事業」は、2026年4月1日更新の案内で、道路等に面する高さ1m以上かつ地震時に倒壊する恐れがある塀を主な対象としています。市職員または委託専門家が事前相談後に現地確認を行い、施工業者は横浜市内に本社がある事業者から選ぶ条件です。
| 2026年度の要点 | 内容 | 注意 |
|---|---|---|
| 事前相談 | 4月1日から12月31日まで | 年度内申請予定は10月31日までの申込みを案内 |
| 補助対象 | 原則全撤去、撤去に伴う軽量フェンス等の新設 | 対象道路・危険判定などの要件がある |
| 上限額 | 長さに応じ30万・40万・50万円 | 補助率と基準額で実際の額を算定 |
案内では事前相談の申込みから調査結果まで約2か月を要するとされ、予算上限に達すると受付終了です。補助金を使うなら、見積もりより前に自治体へ一本連絡する。着工後では順番を戻せない制度があるためです。制度は年度・自治体で変わるため最新情報は公式窓口で確認してください。
段数だけでは判断できません。国土交通省の資料では、塀の高さは地面の低い側から頂部まで測る考え方です。化粧笠木や擁壁の上にある塀は条件が複雑になるため、実測値と現場写真を持って専門家へ相談します。
外観に異常がなくても、鉄筋の有無・間隔、基礎の寸法や根入れ、内部の充填状態までは分かりません。図面や工事記録がなく、一つでも不明な項目があれば、建築士や施工会社による調査が必要です。
状態によっては補強方法を検討できますが、基礎や鉄筋まで不十分なら撤去して作り直す判断もあります。工業会は既存塀の補強例を一時的な方策と位置づけているため、外観だけで追加工事を決めず、塀全体を診断してもらいます。
既存塀の高さ・厚さ・鉄筋・基礎・劣化と、フェンス製品の施工条件の両方を満たす必要があります。安全性を確認できない塀へ荷重や風圧を増やす計画は避け、撤去や低い基礎からの新設も比較します。
所有関係が不明な塀を一方の判断で撤去してはいけません。登記・図面・境界標を調べ、共有の可能性があれば隣地所有者と工事範囲、費用、仕上げ、境界位置を合意してから進めます。
自治体によっては道路沿いの危険な塀の撤去や軽量フェンス新設を支援しています。横浜市の2026年度事業は工事前の事前相談と交付申請が必要で、予算上限もあります。制度は年度・自治体で変わるため最新情報は公式窓口で確認してください。
相談前に、道路側と敷地側の全景、傷んだ箇所、塀の両端、門柱、地面の高低差を同じ日に撮っておきます。おおよその高さ・長さと、図面や施工時期が分かる資料も一緒に渡すと、現地で確認すべき箇所が伝わります。通学路・避難路に面する、すでに傾きがある、補助制度を検討している場合は最初にその3点を伝え、契約前に自治体相談と専門診断の順番を決めてください。
リフォームプラザなら、お住まいの地域に対応した優良リフォーム会社への無料一括見積もりが可能です。まずはお気軽にご相談ください。