内装・畳2026.10.02
畳の「裏返し」は、床に敷いてある畳を丸ごとひっくり返すことではありません。表面の織物をいったん外し、反対の面を使って仕立て直す作業です。色が変わった畳でも芯の部分が使えるなら、すべて新しくする以外の選択肢があります。逆に、表面だけきれいにしても、踏んだときのへこみが解消するとは限りません。
和室を残して使い続けたいなら、最初に決めるのは色柄より交換の範囲です。傷んでいるのが表面なのか、その下の畳床(たたみどこ)なのか。普段どこが気になるかを伝え、現物を見てもらってから裏返し・表替え・新調を選びます。
掲載画像は畳や和室の様子を伝えるための生成イメージです。特定製品の仕様や施工事例を示すものではありません。

縁付き畳は、足が触れる「畳表(たたみおもて)」、芯になる「畳床」、端の布である「畳縁(たたみべり)」を分けて考えると工事名が理解しやすくなります。全国畳産業振興会「畳のバリエーション」では、それぞれの材料や縁なし畳などの構成を紹介しています。ここでいう畳床は畳そのものの芯材で、建物の床下地とは別の部分です。
一般的な縁付き畳で、残すものと替えるものを比べると次のようになります。
| 工事の種類 | 残す部分・替える部分 |
|---|---|
| 裏返し | 畳床を残し、今の畳表を外して反対面を使う。縁は新しくする。 |
| 表替え | 畳床を残し、畳表と縁を新しくする。 |
| 新調 | 畳床を含め、畳全体を新しくつくる。 |
工事範囲は全日本畳事業協同組合「畳工事の発注と注意点」に沿った区分です。裏返しでは今の畳表を再利用するため、裏面の状態が判断材料になります。新品の表へ交換する表替えとは、仕上がりの前提が違います。
DAIKEN「畳表替えとは? 裏返し、新調との違いも知っておこう」は、汚れが裏まで達している場合などには、裏返しで対応できないことを説明しています。「まだ何年しか使っていない」という年数だけで方法を決めず、飲み物をこぼした場所や、以前に裏返しをしたかも伝えておくと話が進めやすくなります。

服に細かい繊維が付く、よく座る場所だけ毛羽立っている。こうした表面の変化と、踏むと沈む、継ぎ目に段差を感じるという変化は、分けて相談します。全日本畳事業協同組合は、畳床の凹凸や厚さの不均一、ふわつきなどを、畳床を使い続けられるか判断する際の確認点に挙げています。
畳表だけを交換する工事には、畳床を残せることが前提としてあります。表面の擦れだけなら表替えを検討できても、芯材まで傷んでいれば新調の相談になります。床が沈む原因が畳側にあるのか、建物側にあるのかは、見た目だけでは決まりません。気になる箇所を畳店や施工店に示し、必要な調査範囲を決めてもらいます。
家具の脚の跡と、歩くたびに沈む場所は、同じ「へこみ」でも分けて伝えると役立ちます。写真に写りにくい踏み心地は、「入口から入って右側」「座卓を動かした跡」など、位置と言葉を添えます。撮影のために重い家具や畳を自分で持ち上げる必要はありません。
水をこぼした後から変わったのか、雨の後に気になるのか、部屋全体なのか。原因を決めつけず、気づいた状況を伝えます。ここは工事範囲を決めるための相談項目です。表替えだけで原因もなくなると考えず、畳の下まで確認が必要かを現地で判断します。雨との関係が疑われる場合は、雨漏りの原因調査も別の検討になります。

畳表には、い草のほか、機械すき和紙や樹脂系の材料を使う製品があります。表面の材料を替えたい希望と、今の畳床を再利用できるかは、別々に確かめる項目です。色の名前だけでは、畳の構造や交換方法までは分かりません。
DAIKEN お客様サポート「『ダイケン畳健やかくん』は表替え(畳おもての張り替え)ができますか?」は、同製品の表替えが可能と案内しています。同時に、縁なし畳は裏返しができない場合があり、畳床の状態次第では新調になるとも説明しています。これは対象製品についての回答です。すべての和紙畳や樹脂畳、置き畳に同じ条件を当てはめることはできません。
以前の注文書、納品書、メーカー名や品番の控えがあれば用意します。分からなければ、縁の有無、部屋へ敷き込んでいる畳か、フローリングの上に置いた畳かを伝えるところからで構いません。加工や張り替えに対応する仕様かを調べてもらい、現物で最終判断します。
「同じ色にしたい」と「同じ踏み心地にしたい」は、別の希望として伝えておきたいところです。表の見本だけを見て決めると、芯材を替える計画なのかが話から抜けやすくなります。新調を提案されたら畳床の仕様も尋ね、手元の見本では確認できない点を施工店と合わせます。
見本は、畳表だけでなく縁も一緒に見ると完成後を想像しやすくなります。昼間の明かりと夜の照明の下で、壁やふすまに添えて比べてみます。和室を洋室へ変える希望まである場合は、今回の畳替えとは工事範囲が異なるため、和室から洋室へのリフォームを別案として相談できます。

見積書は「畳替え一式」の合計だけで比べず、裏返し・表替え・新調のどれか、使う畳表と畳床、対象の部屋と枚数が読める形にします。全日本畳事業協同組合「畳のクレーム事例」には、裏返しの依頼で縁の料金が追加された相談が掲載されています。安い・高いを判断する前に、完成までに必要な材料と作業が含まれるかを見る理由です。
以下は、依頼先と工事範囲を合わせるための確認項目です。別料金になるものがあれば、契約前の見積書に分けて記載してもらいます。
DAIKEN Official 畳ショップ「畳の購入に関するFAQ」では、家具の量や中身の事前確認について案内されています。移動の対応範囲は依頼先ごとに違うため、同ショップのサービス条件が他社でも同じとは限りません。たんす、本棚、重い物の位置を先に伝え、どこまで自分で片づけるかを決めます。
畳を預ける日は、寝具をどこへ置き、その晩どこで寝るかまで考えておくと慌てません。普段寝室として使う和室なら、引き取り時刻だけでなく、部屋が再び使える予定も聞いておきます。工事名だけで当日仕上がりを約束できるものではありません。
比較する見積もりでは条件を揃え、途中で新調へ変更する場合も、施工前に内容と金額を確認する段取りにします。項目の読み方はリフォーム見積もりを比較するときの確認点も参考になります。賃貸の部屋なら、発注より先に貸主や管理会社へ交換の相談をします。
迷ったら、まず気になる場所の写真と、分かる範囲の畳工事の記録を揃えます。「色あせが気になる」だけでなく、「表面が服に付く」「ここを踏むと沈む」と伝えられれば、見てもらう場所が具体的になります。
そのうえで、「和室を残し、使える部分は残したい」と希望を添えて現地確認を依頼します。写真は相談の入口であり、畳床の再利用まで確定する材料ではありません。畳・障子などの和室を含む内装リフォームとして、壁紙や建具も一緒に相談できます。
いいえ。畳表を畳床から外して反対面を使い、仕立て直す作業です。畳全体を反転させることではありません。裏面の汚れや畳の仕様によって対応できない場合があるため、畳店に現物を見てもらいます。
へこみだけで一律には決められません。家具の跡など表面の変化と、畳床の傷みを分けて調べます。踏むと沈む場所や段差も伝え、畳床を再利用できるか、建物の床下地も確認が必要かを相談します。
対応する製品はありますが、すべてに同じ条件は当てはまりません。畳の構造、品番、畳床の状態によって判断が変わります。表替えと裏返しでも可否が異なるため、希望する作業を伝えて畳店へ確認します。
表替えは畳床を残す工事です。畳表を新しくしても、芯材の傷みまで直せるとは限りません。表面の仕上がりと踏み心地への希望を分け、必要なら畳床を含めた新調も比較します。
移動の担当や対応範囲は依頼先によって異なります。家具の種類と量、収納の中身、搬出入の経路を事前に伝え、自分で片づける範囲と費用を決めます。部屋を再び使える予定も合わせて確認します。
以下の業界団体・メーカー公式情報を2026年10月2日に確認しています。製品ごとの対応範囲と、販売窓口独自のサービス条件を分けて参照しています。
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