工事準備2026.08.07
「古い住宅のリフォームはアスベスト調査が必要?」「100万円未満なら調査不要?」——建築物の解体・改修工事では、原則として規模の大小にかかわらず、工事部分の建材について石綿(アスベスト)の有無を事前に調べます。この記事では、調査と行政報告の違い、対象工事、資格者、費用の考え方、結果が「有り」だった場合の流れをわかりやすく解説します。

厚生労働省は、建築物の解体・改修工事では規模の大小にかかわらず、工事で手を加える部分の全材料について石綿含有の有無を事前調査する必要があると案内しています。エアコン取付、壁紙張り替え、外壁工事、原状回復などの小規模工事も、建材を切断・穴あけ・撤去する場合は対象になり得ます。
「事前調査が必要な工事」と「調査結果を行政へ報告する工事」は別です。100万円未満だから調査不要という意味ではありません。
| 区分 | 事前調査 | 行政への結果報告 | 基準 |
|---|---|---|---|
| 建築物の改修・補修 | 原則必要 | 一定規模以上で必要 | 請負代金合計100万円以上(税込) |
| 建築物の解体 | 原則必要 | 一定規模以上で必要 | 解体部分の床面積合計80㎡以上 |
| 小規模な設備・内装工事 | 建材へ手を加える場合は必要 | 基準未満なら通常は対象外 | 工事内容と金額で確認 |
改修工事の請負代金には材料費を含む作業全体の金額と消費税を含み、事前調査費用は含めません。契約を分割しても、同一業者が複数契約で行う工事は合算して判断されます。
石綿は吹付け材だけでなく、成形板、床材、屋根材、外壁材、けい酸カルシウム板、配管の保温材などに使用された例があります。外観だけで含有の有無を断定できない建材もあります。
2006年9月以降に着工したことを書類で確認できる建築物など、法令上の方法で「石綿なし」と判断できる場合があります。ただし、増築・改修履歴や再利用建材もあるため、施主自身が築年数だけで結論を出さず、調査者へ資料を渡してください。

| 段階 | 実施内容 | 施主の確認点 |
|---|---|---|
| 1. 工事範囲の確定 | 切断・撤去・穴あけする建材を整理 | 追加工事候補も調査範囲に含むか |
| 2. 資格者による調査 | 設計図書と現地目視を照合 | 調査者の資格、調査日、対象箇所 |
| 3. 分析・判定 | 不明建材を分析、または含有みなし | 検体数、分析方法、判定根拠 |
| 4. 説明・行政報告 | 発注者へ結果説明、対象工事は電子報告 | 報告書の受領、報告対象の該当性 |
| 5. 作業計画・施工 | 飛散防止措置、掲示、記録、適正処分 | 追加費用、工期、作業区画、完了記録 |
建築物の事前調査は、建築物石綿含有建材調査者など一定の要件を満たす者が行います。元請業者は調査結果と作業方法を発注者へ説明し、現場への備え付け・掲示・記録保存などを行います。

調査費用には、書面確認、現地目視、報告書作成、試料採取、分析、交通費などが含まれます。市場の見積もりでは書面・目視調査が数万円から、分析は検体ごとに数万円となる例がありますが、建物規模、調査箇所、検体数、分析方法、緊急対応で大きく変わります。
| 費用項目 | 金額を左右する条件 | 見積書の確認点 |
|---|---|---|
| 書面・目視調査 | 床面積、部屋数、改修範囲、図面の有無 | 資格者、調査箇所、報告書を含むか |
| 試料採取 | 採取箇所、高所、復旧・養生の必要性 | 採取と補修を分けて記載しているか |
| 分析調査 | 検体数、分析方法、納期 | 1検体単価、追加検体の扱い |
| 除去・飛散防止 | 建材の種類、面積、作業レベル、隔離範囲 | 養生、保護具、清掃、処分、記録 |
見積もりを比較するときは「調査一式」だけでなく、調査範囲、検体数、報告書、行政報告、除去・処分を分けて確認します。工事見積書全体の比較方法はリフォーム見積もり比較の7つのポイントも参考にしてください。
含有が判明しても、直ちに住宅全体を解体する必要があるとは限りません。対象建材と作業方法に応じて、除去、封じ込め、囲い込み、湿潤化、隔離、集じん、保護具、清掃、廃棄物処理などの措置を計画します。
一方、施主が自分で建材を割る・剥がす・穴を開けると飛散のおそれがあります。疑わしい建材を見つけても触らず、施工会社や資格を持つ調査者へ連絡してください。全面解体を伴う場合は解体工事の費用と流れ、中古住宅の購入前なら中古住宅購入+リフォームの予算も確認しましょう。

契約時点で含有の有無が確定していない場合は、調査費用と、含有判明時に見積もりを再確認する手順を明記します。追加費用を口頭だけで進めず、工事範囲・金額・工期を書面で承認してください。
いいえ。事前調査は原則として工事規模にかかわらず必要です。100万円は建築物の改修工事で調査結果を行政へ報告する基準であり、調査の要否とは異なります。
築年数だけでは一律に判断できません。着工年月日を示す書類、設計図書、改修履歴、現地の建材情報を資格者が確認します。
建築物では、建築物石綿含有建材調査者など法令で定める要件を満たす者が行います。資格、調査範囲、報告書の交付方法を確認してください。
建材の種類と作業方法に応じた飛散防止措置を講じれば工事は可能です。通常工事とは費用と工期が変わるため、別項目の見積もりを確認します。
調査結果報告書、分析結果、作業計画、追加見積書、工期、処分方法、完了後の作業記録などです。行政報告が必要な工事では報告状況も確認します。
アスベスト事前調査は、改修工事の規模にかかわらず原則として必要です。100万円・80㎡の基準は行政報告の対象を判断するもので、調査不要の基準ではありません。資格者、調査範囲、分析検体、含有判明時の追加費用と工期を契約前に確認しましょう。
リフォームプラザでは、お住まいの地域に対応するリフォーム会社へ無料で一括見積もりを依頼できます。事前調査を含む見積条件を比較したい方は、お気軽にご相談ください。